シーズーは、とても穏やかで物静かな性格をしており、無駄吠えも少なく従順である事から、とても飼いやすい犬種と言われています。

シーズーは、もともとチベット高原などの高地に住んでいた犬を先祖に持つと言われており、標高が高く乾燥した空気と低い気温の高山気候に適応した、2層の繊細で美しいダブルコートの被毛を持つ小型の犬種です。
冬場の乾燥や寒さには強い傾向にありますが、夏の暑さには弱く、日本の高温多湿な気候では、皮脂の過剰分泌が起こりやすいため、皮膚病が生じやすい傾向にあります。

犬の皮膚炎
シーズーの皮膚炎に

シーズーのアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎

 

シーズーは、遺伝的にアレルギーを起こしやすい犬種と言われており、その皮膚の炎症によってバリア機能が低下すると、マラセチアなどの真菌やブドウ球菌などの細菌が繁殖しやすくなったり、ニキビダニやヒゼンダニなどの微細な寄生虫が増殖しやすくなるため、そのアレルギー体質が発端となり、様々な皮膚トラブルが生じる事があります。

 

シーズーはとても皮膚が弱く繊細なため、皮膚の乾燥や外部の刺激から守ろうとして皮脂が過剰に分泌したり、新陳代謝が極端に早くなる場合があります。

 

そのため、体が皮脂でベトベトしたり、逆に皮膚が異常に乾燥してフケが多く出るようになる事があります。

 

アレルギーは、空気中に浮遊する花粉やカビの胞子を吸引したり、フードに含まれる特定の食材を食べるなどして、アレルギー物質を体内に取り込む事によって起こります。

 

その原因となっているアレルギー物質を排除する事で、症状を軽くしたり、改善できる場合もありますが、いくつものアレルギー物質に対してアレルギーを示している場合には、アレルギー物質をすぐに排除する事が難しいため、長期にわたって症状が持続しているケースも少なくありません。

 

アレルギーは、花粉の飛散量が多くなる時期や、梅雨や秋雨でカビが繁殖しやすくなる時期など、季節的に症状がひどくなる場合があります。


また、皮脂や垢などの皮膚や被毛の汚れによって細菌や真菌などの常在菌が増殖しているために、腫れや赤みなどの症状を悪化させている場合もあります。

 

アレルギーの症状を完治させる事が難しい場合でも、室内をこまめに掃除したり、体を清潔に保つ事で、完治にまでは至らなくても、症状を大きく軽減できる事はあります。

 

また、フードの種類を変更してみたり、シャンプーをやりすぎないように頻度を少なくする事で、皮膚が保護され、痒みなどの症状が軽減できる場合もあります。

 

アレルギーが起こると、皮膚が真っ赤に腫れ、強い痒みが生じるようになります。

 

何度も患部を掻き毟る事が多くなり、被毛が抜け落ちたり、時には皮膚が傷付いて出血が起こったり、かさぶたができる場合もあります。

 

また、皮膚症状の他にも、くしゃみや鼻水といった呼吸器にも異常が生じたり、下痢や嘔吐などの消化器に問題が見られる場合もあります。

シーズーは、チベットのラサアプソという犬種と中国のペキニーズとの交配によって誕生した犬種と言われています。
昔からチベットでは、ラサアプソは魔除けの犬(幸運をもたらす犬)と信じられており、そのラサアプソを中国に献上する習慣がありました。
また、中国では獅子や龍などの動物は、空想上の神聖な生き物と信じられていたため、顔がライオン(獅子)に似ている犬(狗)であるシーズーは、獅子狗(シーズークー)と呼ばれ、王宮内でとても可愛がられていたと言われています。
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