シーズーは、とても穏やかで物静かな性格をしており、無駄吠えも少なく従順である事から、とても飼いやすい犬種と言われています。

シーズーは、もともとチベット高原などの高地に住んでいた犬を先祖に持つと言われており、標高が高く乾燥した空気と低い気温の高山気候に適応した、2層の繊細で美しいダブルコートの被毛を持つ小型の犬種です。
冬場の乾燥や寒さには強い傾向にありますが、夏の暑さには弱く、日本の高温多湿な気候では、皮脂の過剰分泌が起こりやすいため、皮膚病が生じやすい傾向にあります。

犬の皮膚炎
シーズーの皮膚炎に

シーズーのニキビダニ症、毛包虫症、アカラス

 

シーズーは、皮脂の分泌量が多い脂漏体質である事が多く、加齢によるホルモンバランスの変化、アレルギー疾患、脂肪分の多い食事の摂取などが影響して急に皮脂が多くなる場合もあります。

 

皮脂の分泌量が多くなると、体がベトベトしたり、体臭が強くなる事が多く、皮膚の常在菌や寄生虫の栄養源となるため、細菌性皮膚炎や寄生虫性皮膚炎などの皮膚トラブルを起こしやすくなります。

 

シーズーの皮膚病でなかなか治らないものに、ニキビダニ症があります。

 

これは、皮脂の過剰繁殖によって、毛穴の毛包部に生息する微細なニキビダニが過剰に繁殖するもので、ニキビダニが出す分泌液や糞などが毛穴に多く溜まり、毛穴の詰まりや炎症が起こるようになるものです。

 

ニキビダニは、犬の他にも、人や猫、ハムスターやうさぎなど、哺乳類の大半の毛穴に存在していると言われており、決して珍しいものではありません。

 

健康な犬の毛穴にも存在していますが、皮脂の過剰分泌などから、このニキビダニが過剰繁殖を起こすと、皮膚に異常が生じるようになります。

 

ニキビダニ症は、強い痒みが生じる特徴があり、何度掻き毟っても毛穴に生息するニキビダニを取り払う事はできませんので、やがて皮膚が傷付いて、細菌などの二次感染を起こすようになります。

 

そのため、黄色い膿を含んだ傷やかさぶたができる事もあり、被毛も抜け落ちて、皮膚がどんどん傷付いていきます。

 

激しい痒みから、夜中も落ち着いて眠れないため、犬にとっては強いストレスとなります。

 

そのため、イライラして怒りっぽくなったり、元気を無くしてしまう場合もあります。

シーズーは、チベットのラサアプソという犬種と中国のペキニーズとの交配によって誕生した犬種と言われています。
昔からチベットでは、ラサアプソは魔除けの犬(幸運をもたらす犬)と信じられており、そのラサアプソを中国に献上する習慣がありました。
また、中国では獅子や龍などの動物は、空想上の神聖な生き物と信じられていたため、顔がライオン(獅子)に似ている犬(狗)であるシーズーは、獅子狗(シーズークー)と呼ばれ、王宮内でとても可愛がられていたと言われています。
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